昭和48年12月23日、厚生省政務次官室で開かれた第5回三者会談で確認された確認書の全文を掲載します。
確認書
厚生省、森永ミルク中毒のこどもを守る会(以下「守る会」という。)及び森永乳業株式会社(以下「森永」という。)は、昭和30年に発生した森
永ミルク中毒事件の全被害者を恒久的に救済するため、昭和48年10月12日を第1回として5回にわたり、三者による会談(以下「三者会談」
という。)を続けてきたところ、今日までに下記の条項について、互いに合意に達したので、ここに、そのことを明らかにするためにこの確認書を
作成する。
記
1. 「森永」は森永ミルク中毒事件について、企業の責任を全面的に認め心から謝罪するとともに、今後、被害者救済のために一切の義務
を負担することを確約する。
2. 「森永」は被害者の対策について、「守る会」の提唱する、森永ミルク中毒被害者の恒久的救済に関する対策案(以下「恒久対策案」とい
う。)を尊重し、すべての対策について同案に基づいて設置される救済対策委員会の判断並びに決定に従うことを確約する。
3. 「森永」は前2項の立場にたって救済対策委員会の指示を忠実に実行するとともに同委員会が必要とする費用の一切を負担することを
確約する。
4. 厚生省は被害者対策について「守る会」の提唱する「恒久対策案」の実現のために積極的に援助し、かつ、救済対策委員会が行政上の
措置を依頼した時は、これに協力することを確約する。
5. この確約書は、被害救済のための第1歩であって、今後、厚生省、「守る会」及び、「森永」は、それぞれの立場と責任において、被害救
済のために協力することを確認し、問題が全面的に解決するまで「三者会談」を継続し、「恒久対策案」実現のために努力することを確約
する。
なお、このための必要な措置として、「三者会談」の中に、「救済対策推進委員会」を設置する。
昭和48年12月23日
厚生大臣 斎藤 邦吉 ㊞
森永ミルク中毒のこどもを守る会
理事長 岩月 祝一 ㊞
森永乳業株式会社
社長 大野 勇 ㊞
その他へ戻る